私も水に浮かんで死にたいのだろうか。私もハムレットのオフィーリアみたいに死にたいのかもしれない。あっけなく死んで、数居るオフィーリアの一人になってしまいたかったのかもしれない。 今年の夏は白いワンピースを気に入って着ていた、タンスの奥底にしまいたい。明日から忘れていたピンヒールの歩き方を思い出して、、

 

初潮の切札

石鹸の匂いが鼻についていらいらする。石鹸の匂いが好きな男も女も死んでしまえと思う。甘ったるい香水鼻に痛いけど、そっちのがまだましな気がする。

 

何もないと言ってしまえばそれまでの、少女がいた、かもしれない、と言ってしまえばそれまでの、    

言ってしまえばそれまでの、日々があった、あったかもしれない、

何も、何もおこらなかった、おこらなかったかもしれない、明るい晴れ間、樹樹は芽ぐみ、葉おいしげり、枯れ落ち、幹、天を射抜き、そうして季節移ろう日々、それだけの時代だったかもしれない

かもしれない、としても、いつしか雨、

雨からみぞれ、

みぞれから雪

 

かもしれない、と言ってしまえばそれまでの、それまでの私の上に、雨が降っております。

 

 

 

 

ひきずる

マタタビがきて私のことひょいと持ち上げて連れ去られた、その横を君が知らん顔で過ぎ去って行くの知っていた、きみの血液型がA型じゃなくて本当はB型なのも知っていた、侍がとうにいなくなったニッポンはアイデンティティわからなくて建てる電波塔から不必要出鱈目の情報を発信する。ある日、私が眠れぬ夜にラジオを付けるとザーッというノイズのあとに、ビー玉を袋に入れて振り回したような、玉と玉がぶつかり合うような音がしたあと、紛れ込む混信に私、飛び起きてベランダから飛び降りる。何かに引きつけられるように、ものすごいスピードで落ちる。だけど、髪の毛だけは逆らうように逆立って、鼻に空気が吹き込んで。だけどあっという間。鈍い音、足を折った、でも歩けると思う。耳の中でまたビー玉が転がって、耳と脳は繋がっているって知っていた?その道通って脳の中で、私が走る振動に合わせてカッチカッチと音がなって、あああ痛い痛い。私はコンビニで明治の板チョコを買ってそれを半分に、また半分に、半分にして一気に口に詰め込む。熱と唾液で溶けたチョコレートが口から溢れていく、チョコレートはどんどん溶けて、鼻からも溢れ出して、鼻と耳も繋がっているでしょう。鼻をかむと、鼻から空気が抜けるから気圧が上がって耳に蓋したみたいになったりする。ところで私も本当はAB型じゃないって知っている筈のない君、産まれたときは確かに私はAB型だった、その時の身体はまだほとんどが母のもので、そう、だから母の血でいっぱいの私はAB型だったんだけど、もう違うんだ。なにもかもが、生まれた時とは違うんだって。生きていると、細胞もどんどん死んで、どんどん生まれて。髪も爪ものびて、そのたびに切らなきゃいけないから、それは本当に辛いことだなあ。みんな、そうして死んだり生まれたりしなきゃいけない、だけど一昨日のことも去年のことも覚えているのすごいな。私のどこの部分はずっと死ねないのだろうか。まあ、だからそんなことだからさ、マタタビに連れ去られる私を見逃した気持ちわかるよ。ずっと一緒にいるのならば死ななくてはいけないな。

という夢を見ました。

無題

缶詰も、缶ジュースも一度開けたら酸化してしまう。「めんどうくさい」はお尻がくさいという意味がある。人間が呼吸をし続け、木を切り続けたら地球から酸素が減って呼吸ができなくなる。鉄塔は東京タワー。東京タワーは複数ある。壁に画鋲を刺すと、神様に刺さってしまうことがある。夜にお金を数えるな。タウルケット。全国各地。木は生きている。魚は痛みを感じない。口元の黒子を目印に誰かが追ってくる。北海道は外国。中居正広は親戚。なんでもない、なんにもない。私が産まれた、鳴声を産声を聞いて、2歳の姉が問う 「わんわん ?にゃんにゃん?」

私は鯖の味噌煮の鯖の皮を剥がした時、身に残るギラギラしたものをみると全く身体の力が抜ける。車のまあるい輪っかのヘッドライトが恐ろしい。足をついて立つことのできない低い天井でパニックを起こす。

神様にはもう祈らない。神無月でなくても壁に画鋲を刺してしまうから。

さんきゅーハザード。後車に合図